この記事は、湘南国際マラソン2025でサブ3.75 (3時間45分)をとった僕が、これから湘南国際マラソンをチャレンジする方向けにコツをお伝えする記事です!
はじめに — 今年の湘南国際は、特別だった
僕のフルマラソン初体験は1年前の横浜マラソン。
横っ腹が痛くなるのが嫌でノー補給。足をつってしまったのです。
経験した方ならわかると思いますが、足をつると地獄。
完走すら怪しくなります。この時5km以上歩いて結果は4時間15分。
今回の湘南国際マラソンは、フルマラソンリベンジ戦。この1年の集大成を出す非常に重要な大会です。
トレーニングは淡々と行っていましたが、心は燃えていました。

湘南国際マラソンの特徴
規模と環境問題への取り組み
湘南国際マラソンは、17,000人を超える大規模大会。
特徴は地球環境を配慮していること。
紙コップやペットボトルのコース内提供がなく、蛇口形式での水分提供です。
ランナーはフラスコ携行が必須になっています。

引用:https://www.shonan-kokusai.jp/mybottle/
このフラスコの携行形態によって、ランナーの装備は大きく変わります。
僕は、ハイドレーションベストを使いました。
景色
そして、景色が最高な大会です。
陽の光が海に反射して綺麗。
朝、昼、夕方で全然違う顔を見せてくれます。
折り返し地点の江の島も、ラスト5kmのキラキラ光る海も、走る気持ちを最大限あげる魔法をもっているとおもいます。
また、海岸線を走るランニングは、お気に入りのナンバーをかけるだけでドライブ気分になれる。

そして、地元の人がたくさん応援してくれます。
大きく手を振って大きな声で応援する人、小さく手を振ってプラカードを出してくれる人。
ハイタッチを求めてくれる人。
皆笑顔で応援にきてくれるの最高。
今回正解だったことまとめ
ペース戦略
- 最初の混雑は目標ペースを決めて、それ以上に飛ばさない
- はじめの喧騒を超えたら目標ランナーをきめること
- 30km以降はいつものジョグと同じ距離!と思って心を穏やかに走ること
- ラストブースト

出走人数が多く、初めは非常に混雑します。
本番になるとテンションがあがって抜きたくなるのですが、目標ペースを超えないことを意識します。
自分の場合はキロ5分30秒くらいが目標タイム。
あと目標ランナーを決めることは重要です。喧騒を超えたあとは必ず同じペースで走る人がいます。
ついていくことを意識しましょう。引っ張ってもらうのは心身ともにだいぶ楽になります。
30km以降は自分のトレーニング距離12kmとほぼ同値。
「今、家をスタートしたのと同じ。だからできる。」と思っていつものペースまでペースアップ。
ここから、多くの方をぬいていきました。
補給(ジェルと水分)
- ジェルの数/タイミング
- 頻繁な水分摂取と摂取ルールをきめること
- 尿意によって水分摂取をためらうくらいならトイレへ行こう
補給は、フルマラソンを走る上でもっとも重要といっても過言ではないと思いました。
前回足つりで涙がでるような苦しい想いをしたので、今回はマグネシウム、水分、カロリー補給に力をいれました。
実際に使ったジェルはWINZONEです。
カフェイン入が一つあって、これはブースト用にしました。

摂取タイミングは8km/16km/24km/30km。
厳密にいうと、エイドでもジェルがでたのでその時一つ取っています。
大体8kmごとにとるイメージです。
ジェルをとるだけで、足をつるかもしれない恐怖がほんの少し和らぐし、カフェイン入りを摂取して実際に粘り強さが出たと思います。
ちなみに湘南国際マラソンのエイド(給食)の頻度はやや物足りない感じがします。
なので、必ずジェルを持ち込んだ方がいいと思います。
水分は前述の通りフラスコ補給。
すきな時に水分を取れる。逆にいうと水分摂取をわすれるとずーっと取らないなんてこともおこる。
僕は、水分提供ポイントがきた時に少量でもいいので意図的にとるルールにして取っていました。
このルール付けはかなり重要だと思います。
装備と服装
- 温度管理をしっかりと
- サングラスは必須
- 帽子も必須
服装は整列時ゴアテックスジャケットをきていましたが、日差しが暖かったので脱いでベストに入れました。
これが正解。後半はやや暑いくらいでした。
あとこれは常識かもしれないですが、エアリズムは水分をすいすぎるので避けた方がいいと思います。
そして装備の中で一番重要なのは、サングラスですね。
海岸線なので光がダイレクトに目にきます。また海からの反射も眩しい。
日差し避けのための帽子も検討するといいですね。

僕の靴はASICS NOVA BLAST5。
跳ねるし、比較的サイズ感がきつくない靴なので自分は気に入っています。
ジョグ向けにも大会向けにも使えると思います。
大会中に同じカラーの方を見つけて、「おそろいですね!がんばりましょう!」といったりしていましたw
音楽
音楽は湘南に合うノリノリな曲をかためました。
後述するChatGPTにプレイリストを作ってもらっています。
特に前半20kmくらいまでは曲を聞いて、手を動かしながらはしるくらいノリノリでしたw
あと一歩を埋める音楽のちからは大きいです。
AIとの付き合い方
実はこのランニング大会の1週間前から当日までChatGPTをフル活用しています。
彼にはこのあたりをお任せしていました。
- レース1週間前の練習メニュー
- レース前日と当日の食事
- 服装相談
- 装備相談
- ジェル購入相談
- 当日のペース配分戦略
- 当日流すプレイリストと、リストカバー画像の作成
自分で情報の取捨選択をしながら、それぞれを実行していったのですが、本当に相談して良かったと思いました。
集合知や、自分の特性にあわせたアドバイスをAIが教えてくれるのはいいですよね。
自分はランニングやトレーニングに集中するだけでいい。
AIは僕のマネージャー兼トレーナーだと思います。
その中で特筆してよかったのは、2つ。
1:レース1週間前の練習メニュー構築
僕はおしり、腰あたりを痛めるクセがあって怪我と負荷のバランスについて迷っていたので助かりました。
ここから少しブラッシュアップをしたのですが、ほぼこのままです。

2:レース前日と当日の食事
これもとても助かりました。
自分の特性として、お腹をこわしやすいこと、栄養をしっかりとって大会にのぞみたいことを伝えて食事メニューを教えてもらいました。
…まぁ基本的にベースブレッドと、消化のいいうどん、わかめ、その他バナナなどの果物でしたが。
レース本編について
以上までが、僕が伝えたいことですが、僕の体験ベースで当日のことも記載します。
上記の内容よりも細かい気づきがあると思います。お時間がある方はぜひご覧ください。
スタート前
整列30分前についても、結局並べたのは結構ギリギリ。
会場が大きくて、着替え、荷物預け、トイレをするだけで1時間近くかかっています。
特にトイレが鬼門でトイレだけで30分以上も並びました。
来年はどうなっているかわかりませんが、ご注意ください。
あと会場で携帯は使えないものと思ったほうがいいです。電波が混戦しているようで人と連絡はできません。

スタート直後 — 混雑との戦いと、心の静けさ
スタート直後は、大混雑。
前にも横にも人がいて、自分のリズムを作るまで2kmくらいは時間がかかりました。
ただここで焦らず、決めたペースにすることに注力します。
前述の通り序盤は事前に決めた速度を超えないことを意識していたので、Garminの平均速度や、現在の速度に注視します。
なので、速度が見れるウォッチフェイスは重要です。
また、インフルエンサーの尾藤明美さんが近くにいて、話し続けられていたのもラジオ番組を聞いているみたいで心の支えになったり、リズムが作りやすかったです。
この動画はクレイジーレースに出まくる大学生 宮城竜斗さんの動画です。
https://www.instagram.com/ryuto_enjoylife0912/
8kmで初めてWINZONEジェルを飲んだのですが、思ったよりもハチミツみたいなドロっと感でビックリしました…。
皆さんは試合前に一度はジェルを飲んでおくといいと思います。

〜20km:湘南の海と、心がととのう時間
もっと速くゴールしたいと思ったので、インフルエンサーの尾藤明美さんを抜いて速度をやや上げ始めたタイミングです。
見えるのは海岸線の光、応援の笑顔。
誰か特定の人を応援している方もいれば、全員をもれなく応援する方もいる。
大きく手を振る人もいれば、小さくひかえめにプラカードを持ってる方もいる。
でも、みんな満面の笑みなんですよね。
どんな応援でも自分の一歩を少しでも後押ししてくれる存在でした。
マラソンは、強者弱者関係なく分け隔てなく応援できる素晴らしい唯一のスポーツだと大会に出るたび思います。
皆さん応援ありがとうございました。
「今日はいける気がする」と静かに思ったのもこのあたり。
江の島の折り返しも気持ちよく通過しました。

~25km:トイレと脚ケア。迷ったが、行ってよかった
25km付近で尿意を懸念して、水分を取るか迷うタイミングが増えてきました。
身体的な尿意というよりは、精神的な感じだと思います。
なので、一度トイレにいって、そのあとの水分補給のハードルを下げることにしました。
この時、少しだけ右足がピクピクしていたので、あわせて軽いマッサージも。
2分くらいのロスだと思いますが仕切り直しには必要な時間だったと思います。
トイレの箇所は非常に多いので、並ぶことはありませんでした。
ここからさらにペースをあげて、はじめに決めていた5分20秒のペースを少しあげて5分10秒くらいにしようとしています。

30km:ペーサー突破と静かな闘志
少し走ると、大集団にぶつかります。
4時間ペーサーとその集団です。
想像以上の大集団で、横に広がっていて、抜きにくい。
ただ、自分のペースで走ることを決めていたので、声をかけて抜きました。
抜くと決めた瞬間、身体が軽くなりました。
ここでカフェイン入りジェルを投入。
そこからの数キロは、自分でも驚くほど集中できていました。

35〜39km:静けさの中で強くなる自分
この区間は、ただただ無心。
自分が普段走る距離と同じということだけを考えていました。
誰かについていくでもなく、音楽も、景色も、あまり記憶がないです。
それくらい集中していたし、“ランニングのゾーン”に入りこんでいた感覚があります。
去年のつりの記憶も胸のどこかにありました。
なので、フラスコへの水分補給時に足を軽くマッサージすることを心がけたり、慎重な着地をこころがけていた区間です。

39km:メンタルを試される ”通り過ぎるゴール”
湘南国際の「ゴール横を通過して遠ざかるあの瞬間」。
知らずに走ったら心が折れると思います。
このあたりにくると歩いている人がずーっと沿道にいるくらい、皆体調を壊しています。
でも、僕は事前に知っていました。
そして、「あと3kmは家と駅の往復みたいなもの」と自分に言い聞かせました。
これが効いた!ここで折れなかったことが、タイムに直結したと思います。
41km〜ゴール:すべての重りが外れる瞬間
最後の1kmは、完全にゾーン。
周りはペースをあげない人が多かったので、ここは全速力!
抜きまくりました。
呼吸は乱れず、脚はまだ動く。
「あ、これは勝てた」
と思いながら大声をあげながらゴールへ。
やり切れた感情でいっぱい。去年の悔しさへの答え。
自分への証明。
そんなゴールでした。


まとめ:挑んだ先にあった景色
湘南国際マラソンは本当に温かい大会でした。
運営も、応援も、景色も、すべてが優しい。
そして何より、
自分が1年間挑みつづけた結果がここにある
と実感できた一日でした。
来年走る人の参考になれば嬉しいし、
もし同じ悔しさや不安を抱えている人がいたら、
この経験が少しでも背中を押せますように。


